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2006年5月20日 (土)

協力行動が増加する条件について

 社会的ジレンマ状況におけるC行動は、通常D行動よりも利得が低いため、遺伝ダイナミクスや学習ダイナミクスで増加することはない。しかし、小集団がいくつか存在して、行為の外部性の及ぶ範囲が小集団内部に限定される場合には、集団全体の平均利得でC行動の利得がD行動の利得を上回る場合が存在、そのための条件が知られている(プライスの共分散法。Price 1970)。

 ただし社会的ジレンマの場合、平均利得で上回るだけではC行動が自動的に増えるわけではない。本報告では、遺伝ダイナミクスの場合と学習ダイナミクスの場合にわけて、C行動が増加する条件を探ることを試みる。

  1 プライスの共分散法

 まず、プライスの共分散法について紹介する。

 全体集団の中に小集団がm個存在し、それぞれの小集団で社会的ジレンマゲームが行われているとする。ここでi番目の小集団の

    人数をni

    C行動者の割合をxi

    C行動者の利得をuic、D行動者の利得をuid

    利得の差をΔui=uic-uid

    小集団全体の平均利得をui

とする。社会的ジレンマ状況では一般に小集団内部ではC行動よりD行動の利得が高いので

    Δui=uic-uid<0

である。一方、C行動者を多く含む小集団ほど平均利得が高いので

    ov(xi,ui)>0

となる。ここでCov(xi,ui)はxiとuiの重み付き共分散で

    Cov(xi,ui)=Σni(xi-x)(ui-u)/Σni

で定義される(ただしx=Σnixi/Σni、u=Σniui/Σni)。  

 このとき、全体集団において

    C行動の平均利得>D行動の平均利得

となる必要十分条件は

    Cov(xi,ui)+E[xi(1-xi)Δui]>0

である(プライスの共分散法)。ここでEは重み付き平均で

    E[xi(1-xi)Δui]=Σnixi(1-xi)Δui/Σni

で定義される。

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